私たちの生活や仕事の基盤となる法律や制度は、常にアップデートされています。特に、令和7年（2025年）下期以降に施行される改正の中には、家計やキャリアプランに直結する重要なものが多数含まれています。

「知らなかった」では済まされない重要な変更点を、税制、働き方、その他の3つの分野に分けて、3回に分けて解説します。

【記事 3：その他改正編】

【企業・業界向け】経済安全保障と業界の未来！令和7年以降に施行される重要改正（防衛・建設・情報管理）

税制や雇用以外にも、国の安全保障や特定の業界の構造に関わる重要な法改正が控えています。これらは、特定の事業を行う企業にとって、コンプライアンスや経営戦略に直接影響を与えるものです。

この記事では、令和7年下期以降に施行される、セキュリティ・経済、そして業界の改革に関する重要改正を解説します。

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1. セキュリティ・クリアランス制度の導入（令和7年5月16日施行）

機密性の高い「重要経済安保情報」の漏えいを防ぐための制度です 。

• 情報の指定：行政機関の長は、機密性の高い国家レベルの情報の中から、経済安全保障上重要とされる情報を「重要経済安保情報」として明確に区分します 。
• 企業への義務：この情報を扱う企業等は、一定の基準を満たす「適合事業者」として認定される必要があります 。情報を実際に扱う従業員等には、事前の適性審査が実施されます 。
• 罰則：万が一、指定された重要情報が漏えいした場合には、関係者に対して厳しい罰則が科される仕組みとなっています 。

2. 防衛特別法人税（仮称）の創設（令和8年4月1日以後に開始する事業年度から）

防衛力の強化に必要な財源を確保するため、法人税に対し付加税が課される制度です 。

• 内容：法人税額に対し、**税率4%**の付加税が課されます 。
• 控除措置：対象法人には、年500万円までの控除措置が設けられます 。

3. 建設業労働者の処遇改善・働き方改革・生産性向上（令和7年12月13日施行）

建設業における持続的な発展と、働く人の環境改善を目的とした取り組みが推進されます 。

具体的な取り組みは以下の3点です 。

1. 労働者の処遇改善（賃金引上げ）
2. 資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止
3. 働き方改革と生産性向上（労働時間の適正化・現場管理の効率化）

まとめ

これらの改正は、企業のコンプライアンス体制、コスト構造、そして情報管理のあり方を根本的に見直すきっかけとなります。特にセキュリティ・クリアランスは、対象となる企業にとって重要な対応事項です。

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参考資料：本記事の作成に利用した「令和7年下期以降に施行一覧」のPDFファイルは、以下よりダウンロードいただけます。