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2025.06.03資産

【必須知識】意外と忘れている相続登記の義務化!不動産を相続したら知っておきたい手続きと注意点

2024年4月より、相続や遺贈によって取得した不動産について、相続登記の申請が法律で義務化されています。

これまでは任意の手続きだった相続登記ですが、今後は一定期間内に申請を行わないと過料の対象となるなど、不動産相続における最も重要な手続きの一つとして位置付けられました。

今回は、相続登記義務化の背景や具体的な内容、申請の流れ、そして知っておきたい注意点について、わかりやすく解説します。


1. なぜ相続登記が義務化されたのか?深刻化する所有者不明土地問題

相続登記とは、土地や建物などの不動産の所有者が亡くなった際に、登記簿上の名義を相続人に変更する手続きです。

義務化の背景にある社会課題

従来この手続きが任意であったため、名義変更されないまま放置された**「所有者不明土地」**が全国に多数存在していました。

この所有者不明土地の増加は、以下のような社会的な課題に発展しています。

  • 公共事業の遅れ災害復旧の妨げ
  • 空き家問題の深刻化
  • 土地活用の支障

実際、所有者が分からない土地の面積を合計すると、九州本島を上回る規模に達しているとされています。こうした背景から、2024年4月より相続登記が義務化されました。

2. 新制度のポイントと罰則:「3年以内」の申請義務

現在の制度では、相続や遺贈によって不動産を取得した人は、以下の義務と罰則の対象となります。

申請義務と過料

  • 申請期限:不動産の取得を知った日から3年以内に登記申請を行うことが法律で定められています。
  • 罰則:このルールに違反し、正当な理由がないまま申請を怠った場合は**「10万円以下の過料」**が科される可能性があります。

遺産分割が未了の場合の対応

  • 法定相続分での登記:遺産分割協議がまとまっていない場合は、ひとまず法定相続分に基づく登記を先に済ませることも可能です。
  • 相続人申告登記制度:**「相続人申告登記制度」**という簡易な制度も設けられており、これを活用すれば、ひとまず義務を果たしたと見なされます。ただし、遺産分割が成立した場合には、3年以内に改めて登記をし直す必要があります。

3. 過去の相続も対象!2024年4月以前の不動産への適用

この義務化制度は、2024年4月より前に発生した相続、つまり相続登記が未了の不動産にも適用されます。

  • 猶予期間:過去の相続については、2027年3月31日までに登記を完了させる必要があります(3年間の猶予期間)。

放置しておくと以下のようなリスクが生じます。

  • 登記違反による過料の発生
  • 利用や売却ができないなどの不動産活用上の支障
  • 他の相続人や第三者との権利関係の複雑化

今後のトラブルを防ぐためにも、早期の登記手続きが極めて重要です。

4. 相続登記をスムーズに進めるための準備

登記手続きをスムーズに行うためには、相続が発生する前から以下のような事前準備が有効です。

  • 情報収集:親や祖父母名義の不動産がどこにあるかを確認し、戸籍謄本、遺言書、登記情報などを収集・整理しておく。
  • 家族会議:相続の発生に備えて、家族で事前に話し合いをしておく。
  • 専門家への相談:共有名義の不動産や相続人が多いケースでは登記までに時間がかかるため、司法書士や税理士など専門家に相談し、早めの行動を検討する。

5. 不要な不動産や負債が多い場合は「相続放棄」も検討

相続財産の中に、活用できない山林や空き家しかないような場合や、借金などの負債が多い可能性がある場合には、相続放棄限定承認といった選択肢もあります。

  • 相続放棄:一切の財産を相続せず、相続人としての立場を放棄する方法です。
  • 限定承認:相続した財産の範囲内で、負債なども引き受ける方法です。

これらはいずれも、相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所に申述する必要があるため、手続きのタイミングに注意が必要です。

まとめ:不動産の相続は「登記して完了」の時代へ

相続登記の義務化により、不動産の名義変更は避けて通れない手続きとなりました。

「不動産を相続したら、登記をして完了させる」という意識が、これからの相続対策において不可欠なものになっています。過料や将来的なトラブルを避けるためにも、家族や専門家と連携しながら、早めに準備と対応を進めることが、安心・安全な相続の第一歩です。

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